#YouKnowMe

20歳大学生の中絶体験とこれから中絶する人へ

中絶の情報が少ない。

2021年1月27日、7週と少しになる私の子宮の中の小さな芽を取り出すために、私は人工妊娠中絶の手術を受けた。

 

妊娠がわかってから手術を受けるまでたったの一週間だったが、妊娠SOSのボランティアの方や病院の方など、見知らぬ人にたくさん助けていただいた。

 

(忘れる前に初めの方に書いておきたい。もし、今予期せぬ妊娠で悩んでいるのなら、1人で抱え込む前に、ここのどこかに相談してみてください。決して怒られることはないし、24時間受け付けているところもあるし、きっと相談して良かったと思うはずです。)

zenninnet-sos.org

 

 

そして、この一週間で一番感じたのは、日本で人工妊娠中絶に関する情報はとても手に入れにくいということだ。

 

同じような思いから、Safe Abortion Japan Projectさんも活動されている。

safeabortion.jp

このサイトでは、日本における中絶についてや、「望まない妊娠」が発覚した時の意思決定の流れ、そして実際の中絶手術当日についてがイラスト付きで網羅されており、かなり有益である。サイト上方にあるタブから「中絶について」に行くと、中絶件数に関するデータから受診の流れ、中絶前と中絶後に大切なことなどがそれぞれかなり詳しく記載されている。

 

しかし、手術の前処置って痛いのだろうか、中絶したことを一生後悔するのだろうか、などといった、個人的な心の動きや、「自己決定」とか「自分の身体」ってなんだろう、胎児の権利ってなんだろう、という倫理的な問いまでカバーするものではない。中絶手術を前にした不安や葛藤の中で、私はこのサイトに少し物足りなさを感じた。

 

そして私は、実際「予期せぬ妊娠」の発覚から人工妊娠中絶までを、不本意ながらも経験してみて、また、その経験の中でたくさんのことを調べた1人の先達として、今中絶に悩んでいる人たちの役に立ちたいと思いこのブログを始めようと思った。

 

このブログでは、私の個人的な経験(妊娠発覚前後から手術当日、手術後をつぶさに。心の揺れ動きや、つわりの辛さ、ラミナリア含む手術の痛みなど)から、私が調べた中絶や自己決定に関する過去の研究(どのくらい引きずるの?とか、「胎児の権利」ってなに?とか)までを、具体的に書いていこうとおもう。

 

 

先程のSafe abortion Japan Projectによると、日本の16〜49歳の女性のうち、約4〜6人に1人は中絶の経験があるという。アメリカの約3人に1人の中絶件数と比べても、大差はない。

しかし、人工妊娠中絶(abortion)が極めて政治的・宗教的トピックであるアメリカやヨーロッパにおいては、今あげたような個人的な不安や葛藤に寄り添う情報はたくさんある。youtubeで検索すれば、中絶を経験した個人の語り、中絶手術に関するウソホント、pro-choice(中絶容認派) pro-life(中絶否定派)の学者さん達の間でのディベートなどがたくさんヒットする。わかりやすいイラスト付きのものもある。

 

そのうちの一つがこれだ。手術前日に見つけて、何度も見返した。

BBC(イギリス公営放送)が製作したもので、モノクロのイラストとともに1人の女の子が中絶経験を語る。初めから最後まで女の子の語り、女の子の目線で話が進み、胎児を擬人化しないながらも、The bean (お豆ちゃん)と呼んでいるところに、戸惑いや愛着が混ざった複雑な感情が見え隠れしていて、まさに私だと思った。

www.youtube.com

 

今後も何度か、海外の動画は紹介するつもりだ。

ちなみにブログのタイトルの #YouKnowMe も、海外で中絶経験を語るときに使われているハッシュタグだ。この話もいつか詳しくしたいと思う。

 

今日はここまでにして、次は早速、記憶が新しいうちに、中絶手術当日について綴る。このブログが中絶を考えている人、中絶を目の前にしている人にとって、少しでも役に立ちますように。